「手」。とても大切な器官です。仕事をこなす手。字を書く手。物を持つ手。便利で大切です。物が持ちやすいのは、親指があるためです。更に、長さが違う5本の指ですが、物をつかもうとするときには平面に5本の指が接するようになっています。また、手のひらには温度を感知する能力が備わっています。「肌さわり」という力もあって、触ったものが何であるかを判別する能力もあります。手は、複雑な機能が備えられた大切な器官であることは説明しなくても良いでしょう。きょう、「手」について付け加えたいことがあります。それは、手には心を伝える役目もあるということです。
あなたの手は子どもにとって、掛け替えのない手ではないでしょうか。お母さんのやわらかい手でおむつを取り替えてもらったことを子どもは忘れないでしょう。包丁を持ってお料理をしているお母さんの手を見て、「スゴイ」と感じている子がいるでしょう。手をつないでお買いものに行ったことをはっきりと覚えている子もいるはずです。お父さんの手も大事な手です。大きくて力強そうな手に憧れている子どもがいるでしょう。温かい手で抱っこをしてもらうのが大好きな子もいるでしょう。右手はお父さん、左手はお母さんと繋いで、間でぶら下がる事を楽しみにしている子もいるでしょう。手を通して親の愛情、優しさが伝わっていくのです。
一所懸命に子育てをしているあなたの手は、子どもに暖かさと安心感を与えているのです。子どもを受け入れ、安心させ、助けるという大切な役割が手にはあるのです。ですから、暴力の為に手を使うのではないということをはっきりと認識いたしましょう。子育てをしているお母さんの手、お父さんの手は、子どもにとって大切な手なのです。子どもの心に愛情を伝えることができる温かい手です。安心感を覚えさせることができる柔らかい手です。その手のぬくもりは、子どもにとって一生涯の思い出となるに違いないと思うのです。