2018年11月4日日曜日

家庭の雰囲気

「十人十色」。これは、人の個性はそれぞれで、同じ人はひとりもいないという事を表しています。「十家十色」。このような言葉を聞いたことはないでしょう。しかし、わかっていただけるでしょう。家庭の個性がいろいろで、同じ家庭は一つもないという事です。
どの家にもその家特有の特徴、個性があります。あるカウンセラーが言いました。「玄関に入って数分もすれば、その家がリラックスした家庭か、堅苦しい家庭か、暗い雰囲気の家庭かがすぐにわかります。」と。家の雰囲気とは、その家庭の構成員である一人ひとりが作り出すものです。しかし、家庭の雰囲気を決定的に作り出す役割は、その家庭のご夫婦です。そして、その家の雰囲気は、子どもの行動や、将来の人格形成に大きな影響を与えるのです。ある心理学者が、200人以上のドイツの子どもを調査しました。そして、それぞれの育った家庭からどのような影響を受けたかをまとめました。それによると、規則や罰則が厳しく、自由な雰囲気がなく、自分の思いを表現することを強く抑制されている雰囲気の家庭で育った子どもは、強い不安やストレスを経験していたそうです。また、親が、首尾一貫した言動を取らないで、感情のままに行き当たりばったりな行動をとる家庭で育った子どもの場合も同じような結果が出たのだそうです。それに対して、子どもが自分自身を自由に表現できる家庭に育った子どもは、楽観的で、ストレスに強い子どもが育っているという結果をまとめています。
お宅の雰囲気はどうでしょうか。親が作り出す家庭の雰囲気は、子どもが得ていく人格形成や、子どもの将来に大きな影響を与えることになるという事を心の中にしっかりとインプットしましょう。夫婦のケンカも、子どもの見えないところでこっそりとしましょうか。そして、なるべく早く仲直りをしたいものです。

2018年10月7日日曜日

第一次反抗期

  2~3歳にかけて多くの子が通る「第一次反抗期」。イヤイヤ期とも言われますが、この時期は自我が少しずつ芽生え始めた1歳代からさらに飛躍的に心が成長し、「赤ちゃん」から「子ども」になっていく様子を感じられる味わい深い時期でもあります。
この時期の特徴は何でも「イヤイヤ」でしょう。
「ハミガキなんか、いや」
「ご飯食べないもん」
「お風呂入らない」
「寝んねなんかやだもん」
とにかく手に負えないのが特徴でしょう。食事をこぼし、散らかす。ゴミを拾って口に入れる。お母さんの化粧品がおもちゃ箱の中から出てくる。何にでも手を出し目が離せない。ハットヒヤリ(ハッとびっくりして、ヒヤリと冷や汗を流す)の現在進行形です。
けれども、同時にこの時期ほど子どもとしての関心が広がり、独立心が芽生える素晴らしい時期はないのです。「赤ちゃん」から「子ども」に『華麗に変身』する二度とないチャンスなのです。そして、この時期は短いのです。長い人生の中で1~2年だけです。大きくなった子どもをお持ちのお母さん方の中には、「子どもが2歳だった頃が懐かしい。戻れるものなら戻りたいわ。」と、第一次反抗期真っ只中にあるお子さんを育てているお母さんが聞くと、卒倒しそうなことを仰る方がいます。しかし、これはあながちおかしな事ではないのかも知れません。今が大変さMaxに感じることでも、過ぎ去って振り返ると「あの時が懐かしい」と思える時が来るのでしょう。大丈夫です。あなたのお子さんもあなたも、それぞれが成長の過程にあるのですから。
昨日より今日、今日より明日と歩んでまいりましょう。

2018年8月5日日曜日

お母さんのエネルギー補充

一息つく時間もないほど慌しい子育てです。ある母親が「もうくたくたです。家事育児近所づきあい。やることが貯まる一方です。夕方になると危険を感じます。爆発しそうになります」という事を話してくださいました。
現代社会のお母さん方の抱える問題の中で、いわゆる燃え尽き症候群は増えてきているように感じます。おばあちゃんや両親、兄弟姉妹が近所に住んでいて、気兼ねなく相談や話ができるという環境の中で子育てが出来ていた「昔」は遠くなってしまったのでしょう。母親がひとりで「ガンバル」という環境が増えているようです。このような環境は子育てには「イエローカード」です。特に、入園前の小さなお子さんをお持ちのお母さんは、努めて家庭以外の世界に触れる機会を作ることが大切です。どのような方策があるでしょうか。例えば同じように子育てをしているお母さんたちや、近所の人たちと友達になることです。お互いに子どもの面倒を見ることを通して、買い物を楽しんだり、おしゃべりをしたり、近場へ出かけたり、息抜きをすることができたならばどんなにかエネルギーが補充されるのではないでしょうか。また、夫にも、主婦の事情を理解してもらう事が大切です。子ども抜きで、二人だけでランチ、とか二人だけで映画を楽しんだりする時間を夫のスケジュールの中に入れてもらうのはどうでしょうか。二人が理解し合い、絆を深めることになるでしょう。
それぞれの夫婦には、それぞれの方法があるでしょう。しかし、「お母さん方が燃え尽きないために」という視点で生活をすることはどの夫婦にも共通して意義深いと思います。母親がしっかりと立ち止まり、自分のエネルギーを補充するために時間を取ることに遠慮は要りません。その時間は必ずや父親にとっても大切な時間となることでしょう。そして、子どもにとっても良い循環となって戻ってくるのです。

2018年7月1日日曜日

劣等感を乗り越えて

あなたのお子様は、何が得意ですか。子どもが自分の長所を見つけ出し、それを生活の中で活かすことができるように手助けするのが親の務め、仕事の一つなのではないでしょうか。劣等感にしばられて、打ち砕かれてしまい自信を失ってしまう子がいます。一方で、自分の弱さを逆手にとってのびのびと生活をする子どももいます。箱根駅伝を走る選手たちが1年を通して続く過酷な練習を乗り越える力の源は何でしょうか。来る日も来る日も机に座って、小説を書き上げる作家のエネルギーはどこから来るのでしょうか。10時間を超える困難に満ちた手術を連日のように行う医師の行動原理はなんでしょうか。このような方々の背後にあるのは、ほとんど例外なく「人に認められたい」という事であり「人に役立ちたい」という強い願いです。「自分にはやり遂げることが出来る」という事を示したいという意識です。この意識は、劣等感の裏返し、とも言えるのではないでしょうか。自分の長所を利用して、短所をカバーすることなのです。これは、思春期前の子どもたちにはとても効果的です。
あなたのお子様は、劣等感に押しつぶされてしまうでしょうか。それとも、これくらいは大丈夫、とやる気を掻き立てるでしょうか。思春期の嵐が襲ってくるはるか前から、お子さんに備わっている能力を見つけ出し、それを伸ばしてあげる機会を与えるのです。劣等感を克服する手助けはいろいろな形があるでしょう。しかし、その手助けは、親にこそ出来る大切な役割なのではないかと思います。


2018年6月10日日曜日

子どもの自尊心

子どもの保護者に気をつけてほしいことがあります。それは、子どもの目の前で話す内容に気をつけて欲しいという事です。
以前、私が教員をしている時のことです。家庭訪問をした時に、その家の子どもも母親と同席しました。子どもの同席は求めてはいませんでした。その時に、その母親は目の前にいる子どものことを、実に丁寧に話し始めました。「朝起きるのが遅いこと」「宿題を忘れること」「片付けが出来ないこと」などでした。私に聞いてもらい、注意をして欲しかったようです。が、このお母さんの話が子どもの欠点に集中していくのを感じた私は、子どもに言いました。「お母さんと話をするのでお部屋に行っていていいよ」
このお母さんは子どものことで話を聞いて欲しかったのでしょう。担任ですからそのような機会があってもおかしくはありません。しかし、子ども本人を前にして、話すことなのでしょうか。第三者である私に、包み隠すことなく自分の欠点が伝えられていることを聞く本人の気持ちはどうでしょう。親は、何とかして子どもが良い方向に成長して欲しいと願っているのです。が、この場面では、子どもの自尊心はズタズタに傷ついていたのではないでしょうか。知らず知らずのうちに親が子どもの自尊心を傷つけていることがあるのかも知れません。
子どもの気持ちに敏感でありたいものです。子どもが出す色々なメッセージをしっかりと受け止めて、適切に対応していきたいのです。自分の心配を、子どもにぶつけてはいけません。子どもの目の前で親が心の内側をさらけ出してはいけない時があるのです。まして、子どもの目の前で、第三者に子どもの問題をさらけ出していいはずがありません。子どもの自尊心は大変に弱くもろいものです。一度、自尊心を損なってしまったとしたら、それを修復するのには大変な時間とエネルギーを使うことになるということを知ってほしいのです。

2018年4月15日日曜日

サクセスストーリーの影に

幼児期の体験が大人になってから大きな影響を与えるということを聞くことがあります。辛い幼児体験をしたために、大人になってもその思い出に苦しめられている人がいるのです。しかし、一方ではその反対で、辛い体験をバネにして成功を得ている人もいるようです。
ある人が、社会的に大成功を収めた人、400人の生い立ちをくわしく調査しました。そして、その人の幼少期の体験がその後の人生にどのように反映されたかを調べました。対象になった人たちは、アインシュタイン(ノーベル賞授賞物理学者)、フロイト(精神科医、精神分析の創始者)、チャーチル(政治家、英国元首相)など、その功績は世界に広く知れ渡っている人たちばかりでした。
その結果は非常に興味深いものでした。全体の四分の三の人たちの幼少期は悩みに満ちていて、貧困、家庭崩壊、幼児虐待などの問題を抱えていたようです。残りの四分の一の人たちは、体に何らかの障害があったそうです。更に、作家や劇作家になったほとんどの人は、複雑な人間関係に巻き込まれた家庭の中で育ったのだそうです。このような調査をした研究者の結論は、「これらの偉人たちが成功した大きな要素は、ハンディーキャップを乗り越えたいという強い願望である。」としています。この結論は、私たちの家庭にも当てはまるのではないでしょうか。
もしも、あなたのお子さんが、辛い幼児期を過ごしていたり、何かの障害があり悩みの中にいたとしても、希望を捨ててはいけません。このようないっけん逆境と見えることが力となることもあるのです。例え子どもにハンディーキャップがあったとしても、それを補うための長所や才能を見つける手伝いを親がしてあげられたら良いでしょう。今は手に負えないように見えたとしても、その問題が将来に大きなサクセス(成功)をもたらす種子、きっかけになるかもしれないのです。

2018年2月25日日曜日

子どもの行動の裏側

親は、子どもの行動の裏に隠されているメッセージを受け止めることが大切です。子どもの本心を解読するという技術が必要になることが度々あるのです。子どもの立場で子どもの見るものを見、子どもの立場で子どもの考えることを考え、子どもの立場で子どもの感じることを感じることができたら良いですね。このような能力が身についているならば、子どもの心を安心させることができるでしょう。しかし、このような能力が欠けているならば、子どもを傷つけてしまわないとも限りません。脅かしているようで恐縮です。しかし、このような能力は身についていくものです。
例えば、子どもがお昼寝の時間に泣き叫んだとします。この時、その子は何かを言いたいのではないでしょうか。親は、その子の言いたいことが何かを聞き、判断しなくてはいけません。「暗い場所が怖い」と感じているならば、単に駄々をこねている時とは別の対応をしなくてはいけません。反抗している子ならば、「ママは、本気でボクを叱っているのかな」と親を試して泣いているのかもしれません。また、「ママはいつも妹ばかりにかかりっきりになっている。ボクのことなんか全然大事にしてくれていない。もうママなんか大嫌いだ」と言って泣いているのかもしれません。
親であっても、子どもの行動の裏側にある心を読むことは簡単なことではありません。子どもの気持ちがどうなのか、子どもの本心を見分けることは難しいものです。育児書を見てもわからないかもしれません。ママ友に聞いても、我が子にピタリと当てはまる答えがもらえるとも限りません。幼稚園や保育園の先生に聞いてもしっくりこない時もあるでしょう。子育ての自信が失われるように感じることがあっても、自分に失望しないことです。子育ては簡単なことではないのです。我が子に最大の関心と時間をかけて接しているのは、他でもないあなただけです。関心のある本を熱心に読むように、子どもの心を読むのです。子どもの気持ちを感じ取るのです。そして、子どもの必要に応えるのです。このようなことが可能なのはあなただけです。また、あなたの子どもは、あなたがそのように接してくれることを望んでいるものです。
子どもの行動の裏側を考える。難しことですが、そのことを考えることを通して、次第に子どもの心が見えてくる、少しずつわかってくるのです。親も次第に成長していくのです。「育児は育自」と言われるのはこのようなことを言っているのでしょう。

2018年1月7日日曜日

だいじょうぶだよ!

  自分の子どもの性格を変えられたらいいのに、と思ったことはありませんか。子どもを見ていると自分を見ているようで心配になる、と無用な思いを抱いてはいませんか。
小学2年生の、引っ込み思案で、恥ずかしがり屋のお子さんを持つお母さんから相談を受けました。『どうしたら、あの子の性格を変えることができるでしょうか。何とかしてあの子の心の壁を壊してあげたいのです。』と。そのお母さんによると、その子は、家にいるときには普通にお話もし、親に話しかけてくるし笑いもする。しかし、一歩外に出たとたん全く口を開かず、黙ってしまうのだそうです。学校の教室でもほとんどしゃべりません。場面緘黙という症状に当てはまるのでしょうか。教育相談所にも相談しましたが即効薬にはなりませんでした。なぜ、このようになってしまうのでしょうか。話し相手から馬鹿にされた経験がそうさせているのかもしれません。また、相手から認められずに心に傷を受けたのかもしれません。このように外的な要因が影響している場合があります。しかし、生まれつきの要因(内的要因)もあるようです。内気な子は生まれた時から内気。親がどんなに説得しても、諭しても、背中を押しても、それだけで自信に満ち溢れて、堂々と話し始めることは希でしょう。生まれつき内気な子が、突然社交的になり大変身することはないようです。恥ずかしがり屋さんは、持って生まれた性格であり、個性なのです。
そうだとすると、子どもの性格を変えようとする努力は無駄です。努力は別の方向に向けられるべきなのです。生まれつきの子どもの性格、気質を、そのまま受け入れ、可能性を見つけてあげるという努力を大切にしたいものです。子どもの個性を認め、適切に励まし、誰もまねのできない、我が子にだけ与えられている特別な人格が開花することを待つのです。焦る気持ちを夫婦で共有しながら、のんびりと見守ってあげるのです。このようにしていくうちに、次第に子どもへの心配や不安は軽減し減少していくことでしょう。
因みに、ご相談にこられたお母さんは子どもが小学5年生になった時には「あの時の事が嘘のようです」と仰いました。じっくりと子どもと向かい合われた結果が良かったようです。
「性格を変えられたら!」という親の無言の思いは、子どもに緊張を与えてしまう結果になるのかもしれません。「だいじょうぶだよ」という一言が、どんなにか子どもを安心させ、元気を与えることになるのかと思います。