将来、あなたのお子さんが小学校に入りテストの答案用紙をもらってきたとします。そして、その答案に一つだけバツがついていたとします。その時にあなたはどのような言葉かけをしてあげるでしょうか。
「あ~残念。もうちょっと頑張れば100点だったのに」
「何でこれを間違えたのかなあ」
「この間違えたところをもう一度見直してごらん」
と答える人は多いのかも知れません。100点に近いだけに完璧を期待する気持ちは理解できます。が、完璧を期待すると子どもの心を押さえつけるのに十分な力が働くということを知る必要があります。励ますつもりで子どもに厳しいことを言う親は、しばしば子どもを完全主義者に仕立て上げてしまうのです。例え、答案が、それほどはかばかしくない結果であっても「よく頑張ったね」と言ってあげたいものです。
ある心理学者の研究によると、子どもが完全主義者になるのには2つの原因があるのだそうです。
1. 親が子どもに口うるさく、到底子どもが届かないような高い基準を親が持っている
2. 親自身の完全主義的な傾向に子どもが影響を受けている
このような環境の中で育った子どもたちは、特別に良くできた時にはほめられても、普通の結果ならば無視、そして、悪い結果だと罰を受けるという理不尽極まりない扱いを受けることもあるようです。結果がどうであれ、無条件に受け入れられる、という雰囲気を作るのが非常に大切なのです。最後に出てくる結果よりも、その結果に至るまでの努力を認めてあげる。このような、子どもへの心遣いが、子どもに自信をつけさせ勇気を湧き立たせることになるのです。子どもの短所に目が留まる子育てよりも、長所に目を留めて子育てをするのが良いのです。子どもが持っている、持ち前の能力を伸ばしてあげる。そして、弱いところを励まし、認めてあげる。このようにして、子どもの健全な発達を期待し、成長を待ってあげましょう。