親が子どもにしてしまいやすい誤りのひとつは、自分の不機嫌な感情を子どもにぶつけてしまう事だと思います。怒りの感情で子どもを動かそうとする事です。自分の子どもに、言う事を聞かせるために不機嫌を武器にしてはいないでしょうか。プロフェッショナルで小学校のある教師も次のように悩んでいます。
「教師として誇りを持って仕事をしていますが、実際の授業は楽ではありません。子どもが私の言うことを聞かないので、教室を静かにさせるために、いつも怒ってばかりいるような気がしています。」
これでは教師にも、子どもにも両方に欲求不満がたまるばかりでしょう。そして、教育効果が得られないのではないでしょうか。相手の行動を変えるために必要なのは、怒りではなく冷静かつ断固とした処置だと思います。
実際に子ども達は、大人が怒っても逆に大人を軽く見るだけでしょう。大人のイライラは、現状をどうすることもできないのが原因であるという事を子どもは見抜いているのでしょう。親は正しいことを教えようと必死になっていのですが、実際は半べそをかいて、迫力のない脅しをかけているだけなのです。親や教師が、正直な気持ちを子ども達には隠すべきだとは思いません。しかし、怒りが子どもをコントロールする道具として使われることが多い割には現実的な効果がなく、かえって信頼関係を壊す結果になることが多いのです。怒りを子どもにぶつける代わりに効き目のある罰則を考え、冷静に、落ち着いてそれを実行すること。これは効き目があるように思います。