2019年12月8日日曜日

ゴール設定

   オリンピックの表彰式は世界中の人が注目しています。表彰式の中で印象的な光景がありました。ある選手が銀メダルを獲得しましたが、彼は表彰台の上でうつむき、笑顔はなく、目に涙をうかべているようでした。国旗掲揚の時にも顔を上げないで下を向いたままでした。金メダルを取れなかった悔しさでうなだれていたようです。1番にならなければ意味がない。確かに競技者は1番を目指しています。しかし、競技の1番は、必ずしも人生の1番を意味するものではないのです。サッカーワールドカップ決勝戦で負けたチームは、決勝戦にたどり着けなかったチームよりも落ち込みが激しいのだそうです。ミス・ユニバースコンテストでは、優勝者だけが大きく取り上げられ、もてはやされます。そして、世界中の女性たちに劣等感を与えると言われています。勝つことのみが大切。勝利だけに重点が置かれている価値観や社会の中で、子どもたちはどうしたら良いのでしょうか。ほとんどの、勝てない子どもたちにどのように声をかけてあげたら良いでしょうか。ある方がこのようにアドバイスをしたらどうかと提案しています。
「子どもが持って生まれた素質にふさわしいゴールを定めてあげなさい。親は、その子がベストを尽くす手助けをし、それさえできれば十分なんだと、はっきりと伝え、教えることです。」
如何でしょうか。このような現実的なゴール設定を子どもに提示し、子どもが受け止めていれば、誰も敗者にならないのではないでしょうか。

2019年11月10日日曜日

不機嫌を武器にしない

親が子どもにしてしまいやすい誤りのひとつは自分の不機嫌な感情を子どもにぶつけてしまう事だと思います。怒りの感情で子どもを動かそうとする事です。自分の子どもに、言う事を聞かせるために不機嫌を武器にしてはいないでしょうか。プロフェッショナルで小学校のある教師も次のように悩んでます。
「教師として誇りを持って仕事をしていますが、実際の授業は楽ではありません。子どもが私の言うことを聞かないので、教室を静かにさせるために、いつも怒ってばかりいるような気がしています。」
これでは教師にも、子どもにも両方に欲求不満がたまるばかりでしょう。そして、教育効果が得られないのではないでしょうか。相手の行動を変えるために必要なのは、怒りではなく冷静かつ断固とした処置だと思います。
実際に子ども達は、大人が怒っても逆に大人を軽く見るだけでしょう。大人のイライラは、現状をどうすることもできないのが原因であるという事を子どもは見抜いているのでしょう。親は正しいことを教えようと必死になっていのですが、実際は半べそをかいて、迫力のない脅しをかけているだけなのです。親や教師が、正直な気持ちを子ども達には隠すべきだとは思いません。しかし、怒りが子どもをコントロールする道具として使われることが多い割には現実的な効果がなく、かえって信頼関係を壊す結果になることが多いのです。怒りを子どもにぶつける代わりに効き目のある罰則を考え、冷静に、落ち着いてそれを実行すること。これは効き目があるように思います。

2019年10月6日日曜日

ダイアナ妃

 イギリスのダイアナ妃、今も時々話題になっています。彼女は、世界で最も美しく魅力的な女性という評判の高い女性の一人でした。また、彼女は多くの写真を撮られた人間の一人だったでしょう。亡くなる直前までカメラに追いかけられていたのです。このダイアナ妃は、チャリティーへの支援活動に力を注いでいた人でした。彼女ほど支援を集める力を持っている人は稀だったそうです。美しく魅力的で、大きな影響力を社会に与えていたダイアナ妃でしたが悩みがおありになったのだそうです。それは、自分の容姿が気に入らないということでした。鏡に写る自分の姿を嫌っていたのだそうです。その結果は身体症状に現れました。それは拒食症です。あのダイアナ妃が拒食症に苦しんでいたというのです。富と名誉を手にしたダイアナ妃が自己嫌悪に陥ってしまうということがあるなんて考えられないことではないでしょうか。しかし、ダイアナ妃のようなケースは珍しいことでも、不思議なことでもないようです。映画やテレビという芸能界情報があふれている現代社会。その影響を受けて形作られた価値観のもとでは、多くの女性は自分の容姿に自信を持つことが出来にくいのだそうです。何と、ミス・ユニバースの出場者さえも、自分の体の欠点に悩みカウンセリングを受けていたのだそうです。
美貌に恵まれていると思われている女性が自己嫌悪と闘っている。だとするならば、まだ大人になっていない10代の子どもたちが、自分の体についてどのような気持ちを持っているのかは想像ができるでしょう。美貌を崇拝するかのような現代社会の風潮によって、多くの人々は劣等感を抱いているのかもしれません。ダイアナ妃でさえもそうだったようです。神様という軸を我が内にしっかりと頂いて、環境に振り回されない人生こそ魅力的だと思うのです。

2019年9月1日日曜日

毅然とした応対

   子どもの行動観察から、ある児童心理学者は次のようなことを指摘しています。「子どもたちと接していると、子どもが親に逆らうのは、心の底に強さへの憧れがあるということを知った」
子どもは小さいうちから人から命令されることを嫌がります。また、強くて勇気のある人にとても憧れます。スーパーマンやウルトラマンなど、架空のヒーローが、多くの子どもに人気があるのはそのためです。ある子が、「うちのパパは、すごいんだぞ。力持ちで、おまえんちのパパをぶっ飛ばせるぞ」と言いました。それを聞いた子が言い返しました「そんなのどうってことないね。だって、うちのママだって、うちのパパをぶっ飛ばせるんだから」 !?
男の子の多くは、仲間の中で誰が一番強いかということを気にしているようです。実は、女の子も同じかもしれません。仲間内から一目置かれる存在になりたいという欲求から、けんかをすることも珍しくないようです。また、自分の勇気を誇示し、度胸を見せびらかすために、大人に反抗したりするのです。子どもが、親や教師など大人の言うことにいちいちたてつくようになる日が来るのです。そういう行動の背後には、大人に対して「おれのほうが、あんたより強いぞ」というメッセージが込められているのかもしれません。大人であるあなたが、そのような挑戦にどのように応えるのかを、彼らは見極めようとしているのです。その時に、あなたが毅然とした対応をしないと、子どもたちは大人を尊敬できなくなるでしょう。更に、大人の言うことに耳を傾けられない心をつくってしまう結果になるでしょう。生意気になってきた子どもを、冷静に受け止めて、その成長を喜べたら幸いですね。

2019年8月11日日曜日

ことば遣い

基本的な行儀やマナーを子どもに教えることの大切さを考えましょう。この日曜日に、4歳児がお友達に「○○ちゃん、おせんべいいただく?」と聞いていました。素敵な表現だと思いました。こんなことを言うのは、私が年を取ったせいなのかもしれません普段の生活の中で、親は丁寧なことばを意識して使い、教えるのが良いと思います。「ありがとう」「お願いします」「いただきます」このようなことばを使う事を通して世の中は自分を中心にして回っているのではないことを理解させる一つの方法だと思うのです。他者との関係を学ぶのです。
母親に食事を作ってもらい、洗濯や掃除をしてもらっているのは当然かもしれませんが、子どもたちだって母親に感謝をするべきでしょう。何も働きかけないで放っておいたら、感謝の気持ちは子どもの中に育ちません。感謝を表現することは、教えなければ身に付きません。その第一歩は、家庭の中でお互いに親切にするところから始まるのです。互いを尊重して愛し合う関係を築くのです。そのような関係の基礎は目上の他人へのことば遣いからである、というアメリカの学者の説がありますので紹介します。
『子どもたちが目上の人に対して、あまりにも気安くなっているとは思いませんか。私が子どもの頃、子どもは大人に話すときには必ず「ミスター・ブラウン」とか「ミセス・ハンソン」とか言ったものです。今のアメリカの子どもたちは、目上である大人にも「ジョージ」とか「アリス」とか、ファーストネームで呼び捨てです。気安いのがいけないと言うわけではありません。しかし、子どもの世界にも、尊敬を表す時があっても良いと思うのです。その方が、将来きっと素敵な大人になれると思うのですが、如何でしょうか。』
親や目上の人に対して尊敬を抱くように子どもを導く。そのように親や目上の人が子どもの前で振る舞う。ぼくもこんな大人になりたいと思えるような大人でありたいものです

2019年7月14日日曜日

好奇心

  2~3歳児の子どもについて考えてみましょう。この時期を第一次反抗期とかイヤイヤ期などという事があります。しかし、この時期の子どもは意識的に親に反抗しているのでしょうか。本当は、自分の世界を探求しているだけで、悪いことをしたかのように親から叱られることに不満を抱いているのかも知れません。もしかすると、親は子どもを誤解しているのではないでしょうか。
2歳児はそれまでの赤ちゃん期から大きく成長しています。いろいろな物に興味を示します。大人にとっては何でもないものを見つけ、手を出し、確かめ、学習しているのです。冒険心が芽生えているのです。知的な刺激を満たそうとしている時期が来たのです。
例えば、大人はきれいなガラスの置物を見たらそれを見るだけか、そっと手に持ち眺めるだけでしょう。しかし、2~3歳児は違います。手に取って握りしめ、においを嗅ぎ、口に入れて味わう。ついには、放り投げてどんな音が出るのか確かめるかもしれません。このようにすることで、子どもはものが落ちる(重力がある)とか、ものの表面の感触とか、ものは壊れるとか、どこまでやるとお母さんが怒るのかを学習しているのかもしれません。子どもが、ものを壊すのをただただ見ているようにと言うつもりは全くありません。しかし、子どもに「何も触ってはいけない」と言うことは無理な事です。壊れやすいものや、貴重なものは子どもの手が届くところに置かないことです。電気のコンセントやストーブなど危険なものは触ってはいけないと厳しく教え、それを守らせることは可能でしょう。しかし、こどもは好奇心、冒険心で心がいっぱいなのです。ついつい手が出てしまうことがあるのでしょう。これは、親への反抗ではないのです。子どもの冒険心を出来る限り大目に見てあげることは大切です。反抗と冒険をしっかりと見分けることを心がけましょう。

2019年6月2日日曜日

信頼関係を大切に

幼児を育てているお母さんがこのような質問をしています。
「思春期になって、あまり反抗をしないような子どもに育てるにはどうしたら良いでしょうか。」
この質問に、心理学者が次のように答えています。
「多くの若者が、飲酒や喫煙、時には麻薬に手を出したり婚前交渉をしている現実を見ると、お子さんの将来が案じられますね。今、親として自分にできることは何かと考えることは大切なことだと思います。私が子どもの頃、私の親はいろいろなルールを作りました。この悪さをしたらこの罰を与えるといった規則です。子どもが将来出ていくことになる社会はルールに従って成り立っていますから、ルールを家庭で学ぶことには意味があります。しかし、今はそれだけでは不十分です。社会が様変わりしていて、子どもが道を踏み外すきっかけが多すぎるのです。誘惑が子どもの身近なところにあふれているのです。親が決めたルールや、境界線だけでは足りないのです。何が必要なのでしょうか。それは、良いことをしようという動機づけです。外側からの規則だけではなく、内側からの動機づけのことです。この動機づけとは、両親が長い間に子どもとの間に築き上げてきた信頼関係から生み出されてくるのです。信頼関係がないのに規則だけを子どもに押し付けても子どもの心は反発するだけです。両親は協力して、家族の会話を大切にし、共に笑い合い、楽しい時間を持つように計画するのです。親子の絆を育てていく努力をするのは子どものほうではなく、親です。親が子どもとの信頼関係を作っていくことが、子どもの思春期を乗り越えていくための大切なポイントになるでしょう。」
 

2019年5月12日日曜日

歩道の役割

ゴールデンウィークでしたが、長いお休み期間に、家族のよい交わりができましたでしょうか。このお休み期間に公園で遊ばれた方がいるかもしれません。広い空間でのびのびと、気分も爽快になったことでしょう
ある総合公園には、植物がたくさん植えられている区域と広い芝生が植えられている区域があります。芝生の区域は自由に遊べる広場です。しかし植物が植えられている区域に人は自由に入ってはいけません。そこには歩道とともに柵が設置されていて柵の中には入ってはいけませんと表示されています。自由に遊べる区域の芝生は、多くのところでは荒れています。芝がはげたり、傷んでいます。自由広場の中に柵付の歩道を作り、芝生を守れば芝生はボロボロにはならないでしょう。きれいな芝生が、目を楽しませてくれるはずです。
ある大学でのことです。キャンパスを改修することになりました。校舎と校舎の間に歩道を造る工事をどうするかという事になりました。大学の管理者は学生たちの通行パターンを見極めてから歩道工事を行おうと考えました。学生たちが良く通る所に歩道を設けようと考えたのです。良いアイデアだと思われましたが、結果は残念なことになりました。1年後にそのキャンパスの芝生はボロボロになってしまいました。歩道がなかったので学生たちはいたる所を自由に歩き回りました。その結果、踏み固められた芝生は育成に支障が出たのです。歩道を設置しなかったことで、思わぬ被害を招いてしまいました。
歩道には意味があったのです。決められた歩道を人が通ってくれたら、芝生は守られたのです。歩道によって整然と人の通行が保たれるのです。計画的に歩道を造ることは人にも、芝生にも、環境にも良いことなのでしょう。
これは、子育てにも当てはまるのです。成長して社会生活を営んでいくためには、子どもにとって「ここは歩いても良いけど、こちらに行ってはダメ」とはっきりと示された道が必要です。柵を設けてあげるのです。親がどの方向に行ってもらいたいのかを、子どもは気にしています。そして、それを子どもが知ることは必要です。初めて通る道は不安です。この道で良いのか親の顔を振り返りながら前進するかもしれません。そんな時に子どもに「歩道」を示してあげたら子どもは安心して進めます。親が子どもに道を示さないなら、子どもは大切な人格形成の時期に行くべき方向を見いだせないで、当てもなくさまよってしまう結果になるかも知れないのです。

2019年4月7日日曜日

子どものかんしゃく

子育てをしている方は、子どものかんしゃくに手を焼いた経験があるでしょう。子どものかんしゃくは、少し時間がたてば、そのほとんどは収まるものです。しかし、時と場合によっては収まらない時があるのです。
ある家庭の3歳男児は、我がままが通らないと、床に転がる。泣きわめく。唾を吐く。という3拍子を態度で示しました。こうなったら親が何をしてもダメでした。ある晩、その子は何かをして欲しかったのに、親がすぐに応えてくれなかったと言って、かんしゃくを起こしました。親は初めのうちはなだめたりしていましたが、手に負えず、気力が尽き果ててしまいました。もうどうしたら良いのかわからなくなり、親は子どもを放っておくしかなくなりました。
その結果、男の子は無視されたように感じなのでしょう、男の子は母親のところに行きました。そして、母親の腕を引っ張ったり揺さぶりしました。床に転がって大声を上げました。母親は反応しませんでした。その子は、次に父親のところに行きました。父親が読んでいた新聞を引っ張り、邪魔をしました。そして大声を上げ、自己主張。
 両親は何もしないふりをしながら、実は子どものすることをじっと見ていたのです。親は打ち合わせていた通りに子どもの要求に何も応えなかったのです。このかんしゃく持ちの男の子は、大人になって、児童発達心理学者となり大学で研究者となり学生を指導する教授となりました。この時のことを両親に聞いたところ、「あの時以降、あなたは自分の馬鹿さ加減が分かったのか、かんしゃくを起こさなくなった。」いう答えが返ってきたのだそうです。
 この、元かんしゃく持ちの教授が仰っています。「もしも、あなたのお子さんが、私の昔と同じようなかんしゃく持ちだとしたら、わざと何もしないという方法もあることを覚えてください。」と。3歳だったこの教授には、両親の「何もしない」という接し方が見事にうまくいったのでした。子どもの心をよく観察してあの手この手で付き合ってあげましょうか! 疲れますけど……。

2019年3月17日日曜日

子育ては難しいもの

  「子どもを育てることは一大事業だ」という事を聞いたことがあります。いま我が家の子どもたちの子育てを振り返ると、確かにその通りだと思います。(現在も進行形なのかもしれませんが…) あなたは、子育てに悩んでいることがありますか。子どもの強情さに手を焼いていませんか。兄弟同士のケンカに悩んでいますか。もしも、そのように感じていたら、きょうのこのテキストは参考になるかもしれません。
「もう親をやめたい」と思うことがあったとしても大丈夫。後になって、途中で親であることを投げ出さなくて良かったと思う時がきっと来るでしょう。今のこのしんどくて、辛い状況は、あなたが考えるよりも早く過ぎ去るでしょう。今抱えているストレスは、遠い昔の思い出のように感じられる日がきっと来ます。子どもを見捨てたり、仕事に意識的に埋没してしまった親が多い中で、あなたが子どものために払ってきた地道な努力は、子どもたちに必ず伝わります。
3000人の親を対象にしたアンケートで、実に85%もの人が「親としてもうこれ以上耐えられない、と思うような経験をしたことがある」と答えています。この85%をどのように受け止めましょうか。もしも、あなたが子育ての難しさを感じているとしたならば、決してあなただけが例外ではないということではないでしょうか。子育てとは、難しくて当たり前なのです。85%もの親が「親としてもうこれ以上耐えられない」と思ったことがあり、それを乗り越えたのです。安易かもしれませんが、あなただって大丈夫!親としての権威に自信を持ってください。カッとして、大声でパニック状態をまき散らかさないで、お子さんを長い目で見てあげましょう。焦りは禁物。時間をかけながら、お子さんに寄り添ってあげましょう。解決される時が必ず来ますから。

2019年2月17日日曜日

子どもが小さいうちから

「夫婦ふたりに戻ってしまいました」という言葉を聞くことがあります。子どもが家を離れてしまって寂しさが募っていることを言い表しているのでしょう。小鳥が巣立ってしまった後の様子に例えて「空の巣症候群」と言う言葉もあるようです。このような寂しさに襲われるのは母親だけではないようです。父親も結構深刻なダメージを受けているようです。
「花嫁の父」という映画があるそうです。これは、娘を思う父親の愛を感動的に取り上げている映画だそうです。夕食の席で娘が父親の前に座り、突然「結婚したいのだけれど」と聞きます。父親は気が動転してしまいます。目をこする父の前には、可愛らしいあかちゃんから、おてんばな少女、そして、美しい女性となった娘の姿が、スライドのように次から次へと浮かびます。立派に成長した娘は、今や親のもとから巣立とうとしているわけです。父親としての役割が突然に終わった気がして、父親は深い悲しみに襲われる。というようなストーリーだそうです。
「映画の中の話だよ」と言いたくなる父親は多いかもしれません。が、案外その場になると寂しいのかもしれません。大学生の子どもを持つ四百組の夫婦に調査をした結果があります。子どもを巣立たせた時の心境を聞いたのだそうです。その結果は、父親の受けた衝撃は、母親が受けた衝撃よりも大きいようだという結果でした。その第一の理由は、「後悔」。仕事に明け暮れて来た父親が、成長した子どもと向き合おうとした時にはすでに手遅れ、という「後悔」でした。ですから、お父さん方、子どものために今から定期的に時間を取ることをお勧めします。「うちの子はまだ小さいから」などと言って向き合わないでいると、脅すようで恐縮ですが、将来「後悔」するかもしれません。子どもの成長は驚くほど早いのですから。

2019年1月13日日曜日

家庭の雰囲気

「十人十色」。これは、人の個性はそれぞれで、同じ人はひとりもいないという事を表しています。「十家十色」。このような言葉を聞いたことはないでしょう。しかし、わかっていただけるでしょう。家庭の個性がいろいろで、同じ家庭は一つもないという事です。
どの家にもその家特有の特徴、個性があります。あるカウンセラーが言いました。「玄関に入って数分もすれば、その家がリラックスした家庭か、堅苦しい家庭か、暗い雰囲気の家庭かがすぐにわかります。」と。家の雰囲気とは、その家庭の構成員である一人ひとりが作り出すものです。しかし、家庭の雰囲気を決定的に作り出す役割は、その家庭のご夫婦です。そして、その家の雰囲気は、子どもの行動や、将来の人格形成に大きな影響を与えるのです。ある心理学者が、200人以上のドイツの子どもを調査しました。そして、それぞれの育った家庭からどのような影響を受けたかをまとめました。それによると、規則や罰則が厳しく、自由な雰囲気がなく、自分の思いを表現することを強く抑制されている雰囲気の家庭で育った子どもは、強い不安やストレスを経験していたそうです。また、親が、首尾一貫した言動を取らないで、感情のままに行き当たりばったりな行動をとる家庭で育った子どもの場合も同じような結果が出たのだそうです。それに対して、子どもが自分自身を自由に表現できる家庭に育った子どもは、楽観的で、ストレスに強い子どもが育っているという結果をまとめています。
お宅の雰囲気はどうでしょうか。親が作り出す家庭の雰囲気は、子どもが得ていく人格形成や、子どもの将来に大きな影響を与えることになるという事を心の中にしっかりとインプットしましょう。夫婦のケンカも、子どもの見えないところでこっそりとしましょうか。そして、なるべく早く仲直りをしたいものです。