親は、子どもの行動の裏に隠されているメッセージを受け止めることが大切です。子どもの本心を解読するという技術が必要になることが度々あるのです。子どもの立場で子どもの見るものを見、子どもの立場で子どもの考えることを考え、子どもの立場で子どもの感じることを感じることができたら良いですね。このような能力が身についているならば、子どもの心を安心させることができるでしょう。しかし、このような能力が欠けているならば、子どもを傷つけてしまわないとも限りません。脅かしているようで恐縮です。しかし、このような能力は身についていくものです。
例えば、子どもがお昼寝の時間に泣き叫んだとします。この時、その子は何かを言いたいのではないでしょうか。親は、その子の言いたいことが何かを聞き、判断しなくてはいけません。「暗い場所が怖い」と感じているならば、単に駄々をこねている時とは別の対応をしなくてはいけません。反抗している子ならば、「ママは、本気でボクを叱っているのかな」と親を試して泣いているのかもしれません。また、「ママはいつも妹ばかりにかかりっきりになっている。ボクのことなんか全然大事にしてくれていない。もうママなんか大嫌いだ」と言って泣いているのかもしれません。
親であっても、子どもの行動の裏側にある心を読むことは簡単なことではありません。子どもの気持ちがどうなのか、子どもの本心を見分けることは難しいものです。育児書を見てもわからないかもしれません。ママ友に聞いても、我が子にピタリと当てはまる答えがもらえるとも限りません。幼稚園や保育園の先生に聞いてもしっくりこない時もあるでしょう。子育ての自信が失われるように感じることがあっても、自分に失望しないことです。子育ては簡単なことではないのです。我が子に最大の関心と時間をかけて接しているのは、他でもないあなただけです。関心のある本を熱心に読むように、子どもの心を読むのです。子どもの気持ちを感じ取るのです。そして、子どもの必要に応えるのです。このようなことが可能なのはあなただけです。また、あなたの子どもは、あなたがそのように接してくれることを望んでいるものです。
子どもの行動の裏側を考える。難しことですが、そのことを考えることを通して、次第に子どもの心が見えてくる、少しずつわかってくるのです。親も次第に成長していくのです。「育児は育自」と言われるのはこのようなことを言っているのでしょう。