クリスマスが近づいてきました。教会学校ではアドベントカレンダーを作って、クリスマスの日を心待ちにする工夫をしています。日常の繰り返しの中で特別な日を迎える。どのようにハレの日を迎えるか、準備を心を込めてしていくのにはぴったりのようです。しかし、私たちは日常の繰り返しという日常的なことでは満足できなくなるようです。何か大きなイベントを計画することにエネルギーを使いたくなることはありませんか。例えば、冬休みにスキーに行こう!とか、テーマパークに行こう!とか子どもを楽しませようとして親がハッスルしたとします。確かに、子どもはこのような計画に大喜びするかも知れません。ただ、子どもはどちらかといえば、小さな日常生活の積み重ねから大きな影響を受けていくものなのではないでしょうか。
あなたが小さい頃、あなたが親と過ごした時間で記憶に残っていることはどのようなことでしょうか。勿論、親と過ごした一大イベントのことはちゃんと記憶にあるでしょう。しかし、特にこれと言った特別な計画をしなかったような出来事も沢山記憶されているのではないでしょうか。私が思い出すのは、放課後に友だちと缶蹴りをしたことや野球をしたこと。母におつかいを頼まれてちかく近くのお肉屋さんに買い物に行ったこと。そして、そこのおじさんに揚げたてのコロッケをもらったこと。どれも日常の生活の中でのことです。
一大イベントが無意味だなどと言うつもりは全くありません。環境が変わって新鮮な体験ができるという利点があります。しかし、日常の小さなことの積み重ねの中に、いつまでも子どもの記憶に残る体験となるものがあるのも事実でしょう。子どもが今、何に興味を持っているのか聞いてあげたり、他愛もないおしゃべりをしたり、近所の公園で遊んだり。子どもの心に向かい合うことに気をつけてみるのはいかがでしょうか。どこかに行くという一大イベントは沢山できなくても、小さなことの積み重ねは工夫次第で沢山できますね。