2019年2月17日日曜日

子どもが小さいうちから

「夫婦ふたりに戻ってしまいました」という言葉を聞くことがあります。子どもが家を離れてしまって寂しさが募っていることを言い表しているのでしょう。小鳥が巣立ってしまった後の様子に例えて「空の巣症候群」と言う言葉もあるようです。このような寂しさに襲われるのは母親だけではないようです。父親も結構深刻なダメージを受けているようです。
「花嫁の父」という映画があるそうです。これは、娘を思う父親の愛を感動的に取り上げている映画だそうです。夕食の席で娘が父親の前に座り、突然「結婚したいのだけれど」と聞きます。父親は気が動転してしまいます。目をこする父の前には、可愛らしいあかちゃんから、おてんばな少女、そして、美しい女性となった娘の姿が、スライドのように次から次へと浮かびます。立派に成長した娘は、今や親のもとから巣立とうとしているわけです。父親としての役割が突然に終わった気がして、父親は深い悲しみに襲われる。というようなストーリーだそうです。
「映画の中の話だよ」と言いたくなる父親は多いかもしれません。が、案外その場になると寂しいのかもしれません。大学生の子どもを持つ四百組の夫婦に調査をした結果があります。子どもを巣立たせた時の心境を聞いたのだそうです。その結果は、父親の受けた衝撃は、母親が受けた衝撃よりも大きいようだという結果でした。その第一の理由は、「後悔」。仕事に明け暮れて来た父親が、成長した子どもと向き合おうとした時にはすでに手遅れ、という「後悔」でした。ですから、お父さん方、子どものために今から定期的に時間を取ることをお勧めします。「うちの子はまだ小さいから」などと言って向き合わないでいると、脅すようで恐縮ですが、将来「後悔」するかもしれません。子どもの成長は驚くほど早いのですから。