2019年5月12日日曜日

歩道の役割

ゴールデンウィークでしたが、長いお休み期間に、家族のよい交わりができましたでしょうか。このお休み期間に公園で遊ばれた方がいるかもしれません。広い空間でのびのびと、気分も爽快になったことでしょう
ある総合公園には、植物がたくさん植えられている区域と広い芝生が植えられている区域があります。芝生の区域は自由に遊べる広場です。しかし植物が植えられている区域に人は自由に入ってはいけません。そこには歩道とともに柵が設置されていて柵の中には入ってはいけませんと表示されています。自由に遊べる区域の芝生は、多くのところでは荒れています。芝がはげたり、傷んでいます。自由広場の中に柵付の歩道を作り、芝生を守れば芝生はボロボロにはならないでしょう。きれいな芝生が、目を楽しませてくれるはずです。
ある大学でのことです。キャンパスを改修することになりました。校舎と校舎の間に歩道を造る工事をどうするかという事になりました。大学の管理者は学生たちの通行パターンを見極めてから歩道工事を行おうと考えました。学生たちが良く通る所に歩道を設けようと考えたのです。良いアイデアだと思われましたが、結果は残念なことになりました。1年後にそのキャンパスの芝生はボロボロになってしまいました。歩道がなかったので学生たちはいたる所を自由に歩き回りました。その結果、踏み固められた芝生は育成に支障が出たのです。歩道を設置しなかったことで、思わぬ被害を招いてしまいました。
歩道には意味があったのです。決められた歩道を人が通ってくれたら、芝生は守られたのです。歩道によって整然と人の通行が保たれるのです。計画的に歩道を造ることは人にも、芝生にも、環境にも良いことなのでしょう。
これは、子育てにも当てはまるのです。成長して社会生活を営んでいくためには、子どもにとって「ここは歩いても良いけど、こちらに行ってはダメ」とはっきりと示された道が必要です。柵を設けてあげるのです。親がどの方向に行ってもらいたいのかを、子どもは気にしています。そして、それを子どもが知ることは必要です。初めて通る道は不安です。この道で良いのか親の顔を振り返りながら前進するかもしれません。そんな時に子どもに「歩道」を示してあげたら子どもは安心して進めます。親が子どもに道を示さないなら、子どもは大切な人格形成の時期に行くべき方向を見いだせないで、当てもなくさまよってしまう結果になるかも知れないのです。