雪の結晶を見たことがあります。すぐに溶けて消えてしまいますので観察の準備が大切です。何度も何度も雪を取り顕微鏡で見ます。短時間でスケッチをします。ご存知のように雪の結晶はどれひとつ同じものはありません。とても不思議です。人の指紋も誰ひとり同じものを持っている人はいないと私たちは知っています。この世界にはユニークなものがたくさんあるのです。そのようなユニークな存在の最たるものは人間だと思うのです。姿かたちが似ている人はこの世の中にいるかもしれませんが、何もかもが一致するような人は、この世界に誰もいないのです。ある教育学者が次のように語っています。「子どもにはもって生まれたユニークな学習スタイルが、生まれながらに備わっている」と。その根拠に挙げているのが双子への研究結果です。生育環境が良く似ている双子を追跡調査したところ、明らかな答えが出てくるのだそうです。それは、双子のそれぞれの性格、気質、行動パターンなどが全くと言って良いほど違うということです。同じ遺伝子を持ち、似た環境の中で育った双子でさえ大きな違いがあるのですから、年の違った兄弟や、性別の違う兄弟に違いがあるのは当たり前でしょう。まして、血のつながりのない人との違いに至っては説明の必要はないでしょう。私たちは、人間の人格の複雑さを正しく認識していないのかもしれません。人を理解しようとするときに、自分の考える型にはめ込もうとしたり、自分の感覚を押し付けたりしがちです。そのようにしてしまうと、相手はたまらずに、逃げ出すものです。「違っていて当たり前」という思いが心の片隅にしっかりと位置付けられているならば、相手はそれを感じ取るでしょう。そして、緊張や圧力を感じない関係に安心することが出来るでしょう。この世に存在しているすべての人は、それぞれがユニークな個性を持って生まれてくるのです。あなたもその中の一人ですし、あなたのお子様も同じです。違いがあるという認識をもって、親として子どもを躾け、育てていけたら素晴らしいですね。